2012年のF1は開幕から6戦を終えたが、6人の勝者が誕生するという、異例のシーズンとなっている。この状況に、F1をスポーツとしてみるものからは不満の声もあがっているが、F1関係者の中には非常に満足している者もいる。
ザウバーのチーム代表であるペーター・ザウバーは、『SonntagsBlick(ゾンタークスブリック)』のコラムの中で「とりわけ、トップチームにとってはとても好ましい状況とは言えないようだ」と語っている。
今年はピレリタイヤによって大きな予算を持たないチームにとっても上位を争うチャンスが出てきており、ザウバーもその恩恵に浴しているチームのひとつだ。
ザウバーのセルジオ・ペレスはマレーシアGPでもう少しで優勝にも手が届く勢いだったし、前戦のモナコGPでは決勝レースにおけるファステストラップを叩き出している。
「ピレリはとてもいい仕事をやったと思うよ」とザウバーは続けている。
「追い抜きの数が増え、F1にこうしたワクワクするような状況をもたらしたのは、タイヤによるところが大きいからね」
「タイヤはすべてのチームで同じものを使っているし、(シーズン開幕前の)冬のテストの際にはそれに適応させるために同じ時間があったんだ」
「もちろん、エンジニアにとってはタイヤが期待したようなものでないことは苛立たしいことかもしれない。だが、レースというものは自分たちだけでなく、ファンを喜ばせるためにあるんだということを忘れてはならないよ」