F1の統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、レッドブルのマシンのフロアに設けられた穴をルール違反と判断した。
前戦モナコGPで、フェラーリ、マクラーレン、メルセデスAMGらライバルチームが懸念を示していたが、FIAがカナダGPの前に見解を発表するとして、正式な抗議を避けた経緯がある。
レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、イギリスのテレビ局『Sky Sports(スカイ・スポーツ)』に「現行のレギュレーションはこの件に関して白黒がはっきりしていないが、モントリオール(カナダGP)の前に配布される技術指示書で明確な判断が下されるだろう」と語っていた。
その技術指示書の内容をドイツのメディアが2日(土)、明らかにした。その記事によると「013-12」と題された指示書は、レギュレーションの「完全に周囲が閉じられた穴」という表現に「誤解」があるとしている。
明らかになっている情報を総合すると、多くのチームが「完全に周囲が閉じられた穴」は禁止という規定を回避するため、フロアに切り欠きを入れてそれを穴とつなげることで、ルール上は穴ではなく切り欠きの延長と解釈できるデザインにしている。しかし、レッドブルのフロアに作られた穴は切り欠きとつながっておらず、完全な穴になっていたようだ。
そして結論では、マーク・ウェバー(レッドブル)がモナコで勝利したマシンに利用されていたデザインはルール違反だと締めくくっている。
レッドブルとウェバーはモナコでの勝利を取り消されることはないが、レッドブルの2012年型車RB8はカナダGPまでに変更を加えなくてはならなくなった。