先月開催されたバーレーンGPで、フォース・インディアがフリー走行2回目に参加しないという決断を下した背景には宣伝的な要素があったと、F1の最高権威者であるバーニー・エクレストンは疑っている。
国内情勢が不安定で治安に問題を抱えていると考えられていたバーレーンでのF1開催。昨年はグランプリ開催そのものが中止となったが、今年は決行された。そんな中、フォース・インディアのチームスタッフが乗った車の近くで火炎瓶による襲撃事件が発生した。
その事態を受け、フォース・インディアは、安全上の観点から金曜のフリー走行2回目の参加を見送った。するとその翌日のバーレーンGP予選で、フォース・インディアの姿がテレビ中継に映し出されることがなかった。これは同チームに対して主催者側がとった報復行為ではないかとの憶測も出たが、エクレストンは否定した。
エクレストンは最近、F1のビジネス分野の記者クリスチャン・シルトとロンドンで昼食を共にした際、「抗議者たちは誰かを襲うためにその場にいた訳じゃない」と語っていたという。
「自分たちの存在を世界に知らしめるために、F1を利用するつもりだったんだ」
エクレストンは、夜間バーレーンで移動することに恐怖を抱いていたフォース・インディアに対し、護衛なしでチームに同行することを申し入れていたと明かした。
「君たちを送り届けてから、私は再び護衛なしで車に乗り込む」と、エクレストンはこのような会話をフォース・インディアとの間で行なっていたことを思いだしながら語っていた。
そして「フォース・インディアは自分たちのことをみんなに書き立てて欲しかったんだ」と疑念の目を向けていた。