ザウバーのセルジオ・ペレスが23日(水)、モナコへ戻ってきて複雑な心境に襲われていると認めていた。
昨年、F1モナコGPに初挑戦したペレスだが、予選で大クラッシュを喫してしまい、救急車で搬送された。結局、決勝を走ることはできなかった。
「自分としては、あんな事故のあとでまたここに戻ってこられたのが信じられないくらいだよ」
ペレスはドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』へそう語ったものの、それでもまだモナコは大好きなサーキットだと次のように続けている。
「もちろん、壁ギリギリを走るのはあまり気持ちのいいものじゃないよ。でもリスクがあるのは分かっていることだからね。モナコは特別な場所なんだよ」
「クラッシュするまでのことは全部思い出せる。でもその次に覚えているのは、病院へ運ばれているときのことなんだ。しばらくの間気を失っていたからね」
「ああいう事故のあとでまたここでレースをするのは簡単なことじゃない。最初に(事故を起こした場所に向かって)トンネルを抜け出たときにはどんな感覚になるのか、自分でも全然想像がつかないんだ」
ペレスによれば、その事故で負った重い脳震盪(のうしんとう)から完全に回復するまでには「4レースか5レース」必要だったという。だが、できるだけすぐにレースに復帰しなければならないというスポンサーからの重圧もあったようだ。
ペレスは当時のことを思い出しながら、次のように続けている。
「モントリオール(モナコの次に行われたカナダGP)ではレースに出たかったけれど、それは無理だった」
「バレンシア(その次のヨーロッパGP)も僕にとってはかなりつらいレースだったよ」
ペレスは、昨年にクラッシュをするまではモナコで力強い走りを見せていただけに、今年はまったく違った週末にしたいと望んでいる。
「表彰台に上ることを目標にしなくてはね。最近は少し加速力不足の問題があったけど、ここではいいセットアップを見つけられることを願っているよ」
「僕たちはトップチームとはすごく接近したところにいるし、コンマ1秒が大きな違いになるからね」
「マレーシアGPでは2位になっているから、次のステップは優勝することだろうけど、それが達成できるかどうかは分からない。でもチャンスはあるよ」