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“新たなF1”では、もはやエイドリアン・ニューイも絶対ではない!?

2012年05月19日(土)9:55 am

レッドブルは、今シーズンにおいてはF1で空力の天才と称されているエイドリアン・ニューイ(レッドブル最高技術責任者)が果たすことのできる役割が限定的となっていることを嘆いている。

過去数年においては、レッドブルはニューイによって編み出された魔法のようなエアフロー(クルマに生じる気流のコントロール)によって絶対的な強さを誇っていた。

しかし、開幕から5戦連続で異なる勝者が誕生するという状況となった今季においては、これまでのところ2年連続のF1チャンピオンであるレッドブルのセバスチャン・ベッテルもそのうちのひとりとして1勝をあげるのみにとどまっている。今年のここまでの王者は、こうした状況を生み出したピレリタイヤだと言えるかもしれない。

レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーは、前戦のスペインGPでウィリアムズのパストール・マルドナードがポール・トゥ・ウィンを達成するという驚きの結果となったことについて、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に「ウィリアムズは、なぜ自分たちがあれほど強かったのか本当に分かっているとは思えない」とコメントしている。

さらに、ホーナーは今季うまく成功するためには、それぞれのレースにおいて全体的にベストな状態のクルマを持つことよりも、タイヤの特性や、タイヤがどういった状況でうまく機能するのかということを理解することのほうが重要だ、と次のように続けている。

「中団グループに属するチームが去年と比べて空力的に格段の進歩を遂げたわけではない。だが、パフォーマンスという観点からみれば、彼らがそれ(タイヤの特性)をうまく利用したということだ」

そこから見えてくる論理的な結論としては、今季については空力面で優位性を持つことが難しくなってきているということだ。

そうなると、レッドブルとしてはニューイの巨額の年俸をかなり減額することになるのか、と問われたホーナーは笑いながら次のように答えている。

「エイドリアン(ニューイ)は単なる空力技術者ではないよ。それに、いずれにしても空力が依然として重要なものであることに変わりはないしね。だが、今はすべてのことを調和させることが大切なんだ。ピレリタイヤは単に、ものすごく複雑だということさ」

「2レース前(の中国GP)ではニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)がレースを支配したが、スペインGPでは彼はもう少しで周回遅れにされてしまうところだった。次にどんなことが起きるのか予測するのはとても難しいよ。予想屋にとっては悪夢だろうね。まるで宝くじみたいなものだからね」

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