NEXT...F1開催スケジュール

ウィリアムズ、パストール・マルドナードは未来のチャンピオン

2012年05月18日(金)11:48 am

13日(日)のスペインGPで、パストール・マルドナード(ウィリアムズ)は自身が“ペイドライバー”ではないことを証明した。

「マルドナードがどれほどの資金をチームに持ち込もうと、彼が愚か者だったら起用しなかった」とのサー・フランク・ウィリアムズ(チーム代表)の発言をブラジルの『Globo Esporte(グローボ・エスポルテ)』が伝えている。

初のベネズエラ人F1ドライバーとなったマルドナードは、ベネズエラ国営の石油会社PDVSAとウゴ・チャベス大統領と深いつながりがあり、両者から数百万ドル単位の資金がウィリアムズに提供されている。そのため、マルドナードは資金力でレースシートを買う“ペイドライバー”であると言われることもあったが、スペインGPで今季5人目の勝者となった。

スペインでの勝利により、マルドナードをペイドライバーと揶揄(やゆ)する声は聞こえなくなり、ウィリアムズもマルドナードはチャンピオンの器だと語っている。

「疑う余地もない。マルドナードは速いし、ミスもしない」と、先日70歳の誕生日を迎えたばかりのウィリアムズが語る。

しかし、ウィリアムズは以前、マルドナードとの契約には彼の持つ豊富な資金がものを言ったと明かしていた。

「確かに、それも大きな理由だった。そのことは否定しない。しかし、同時にマルドナードは真のドライバーでもあったのだ。資金のあるなしに関わらず、彼はチームに入るだけの技量を持っていたよ」

「資金力がなければF1には入れないのが現実だがね」

ウィリアムズのチーム株式を保有するトト・ヴォルフもウィリアムズと同意見だ。「GP2でレースをしたければ2~300万ポンド(約2億5,000万円~3億8,000万円)用意すればいい。そうすれば、ドライバーの速さや才能に関係なく、スポンサーの目には魅力的に映るだろうね」

「もう、“ペイドライバー”の話は忘れよう」とヴォルフは語った。

しかし、3冠王者のネルソン・ピケは、マルドナードへの賛辞に疑問を投げかけている。

マルドナードは数年前にピケのチームからGP2に参戦していた。そしてピケは今週、かつて「攻撃的すぎ」であり、「ミスをしすぎる」あるドライバーを思い出したと話している。

「これは、若い頃に才能が開花した、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)のようなドライバーの話ではないんだ。ロン・デニスのおかげで必要なものを全て手に入れていたルイス・ハミルトン(マクラーレン)のようなドライバーの話でもない」

「GP2では、2年目に目立った活躍ができなければその才能を疑われる。マルドナードの場合、走りに輝きが見えたのは4年目だった」

「目立って特別なところのないマルドナードが、資金を持ち込まないとF1にステップアップできなかったのはそのためだろう。彼は、いいドライバーだが、アロンソ(フェルナンド・アロンソ/フェラーリ)にはなれないと思われていただろうね」

「マルドナードがいいときにいい場所にいたのは確かだが、アロンソとキミ(ライコネン/ロータス)という2人のチャンピオンに勝ったのは事実だ。脱帽だよ」

前後の記事
最新ニュースをもっと見る  >
TopNewsの最新ニュースが読めるよ!
facebookフォロー Twitterフォロー RSSでチェック