ロメ・グロジャン(ロータス)はF1で勝てる。
こう評するのは、2009年にルノー(現ロータス)でグロジャンのチームメートだったフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)だ。
同チームは当時、セカンドドライバーのネルソン・ピケにわざとレース中の事故を起こさせアロンソを勝たせた、いわゆる「クラッシュゲート」のスキャンダルにまみれていた。これにより解雇されたピケに代わって急きょF1デビューを果たしたのが、それまでテストドライバーだったグロジャンだ。
ところが、グロジャンは思うような成績を残せず、あえなくシーズン終了後にシートを失い、恋人の仏テレビ局『TF1』モータースポーツ番組司会者マリオン・ジョレスとは、気まずい形で離れ離れになってしまった。
その時のつらい思い出をグロジャンは、『Gulf Daily News(ガルフ・デイリー・ニュース)』にこう打ち明ける。
「彼女はサーキットで、僕は家に独りぼっち。もう終わり、F1には戻れないと思ったよ」
ところがグロジャンは、F1直下のカテゴリーGP2の新チャンピオンとして新生ロータスからF1に復帰。そして今年のロータスは速く、先週末のスペインGPでも優勝したパストール・マルドナード(ウィリアムズ)と2位のフェルナンド・アロンソ(フェラーリ)に次ぐ速さを見せていた。
アロンソも、次のようにグロジャンを高く評価している。
「GP2のタイトルを取った、素晴らしいキャリアの持ち主だ。才能もある。彼が(バーレーンGPで)表彰台に上ったときはうれしかった。F1で一勝できるドライバーだと思うよ」