国内の騒乱が長引き、さまざまな意見が飛び交う中でグランプリが開催されたバーレーンだが、マクラーレンの新コンコルド協定合意の裏にバーレーン王国の影響があったのかもしれない。
バーレーン王室は投資部門マムタラカト・ホールディング社を通して、マクラーレンチームの半分を所有している。
『The Times(タイムズ)』紙のF1担当ケビン・イーソン記者によると、マクラーレンのコンコルド協定合意が遅延した背景に、マクラーレンとバーレーンの強固なつながりがあった、とある関係者が話しているという。
コンコルド協定にサインする見返りとして、先月末のバーレーンGP開催の“誓約”をバーレーン側が求めたというものだ。
同記者はさらに、マクラーレン・グループのロン・デニス会長に先んじて、マクラーレンに2人いるバーレーン人ディレクターのうちひとりが、現在進められているシンガポールでのF1株式公開のタイミングに合わせて、F1の上層部に滑り込む可能性を指摘している。
F1の支配者バーニー・エクレストンは、今年のバーレーンGP強行開催とコンコルド協定の合意に関連はないと主張している。
「バーレーンでのレースを開催したことと、コンコルド協定は関係ない。ただ、マクラーレンが取引を好むね」
その一方で、F1の株式上場計画の責任者を務めるネスレ社の最高経営責任者ピーター・ブラベックは、バーレーンGPの開催を後押ししていた事実も興味深い。
ブラベックはオーストリアの『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』紙に次のように語っている。「レースを悪用したのはバーレーンの反体制勢力だ。政府側ではない。正しい報道がされていなかったんだ」
「彼らは自分たちの利益のためにスポーツを利用しようとした。そして、考えうる最悪の事態はつまり、開催中止だ」
さらにブラベックは、バーレーンとイギリスを比較して次のように話している。
「暴徒がいない国などあるのか? 約1年前には、ロンドンで暴徒が大暴れしていたじゃないか。それで今年のオリンピックが中止になったのかい?」