ロメ・グロジャン(ロータス)は、バーレーンGPでチームメートのキミ・ライコネンに対して自分の順位を守ろうとはしなかったと明かしている。
バーレーンGPではロータスが2位と3位をとって2人のドライバーが表彰台に上ったが、その陰にはグロジャンの犠牲があったと言われている。ライコネンが前を走るグロジャンに追いついた際、グロジャンがライコネンと順位を争うことなく進路を譲ったため、お互いに最小限のタイムロスで順位を入れ替えることができたというわけだ。
これについてロータスのチーム代表エリック・ブーリエとライコネンは、チームからの指示で意図的に順位を入れ替えるチームオーダーを否定していた。F1ではチームオーダーがルールで禁止されていたが、2011年からチームオーダー禁止のルールは廃止されている。
しかし、今週になって、グロジャンがライコネンに順位を奪われる直前に「キミは君よりも速い」と無線を飛ばしていたことが明らかになっていた。この「君より速い」という無線は、チームオーダーが禁止されていたころに、チーム側が間接的に順位の入れ替えを指示するための常套(じょうとう)句として使われており、2010年にはこの無線が原因でフェラーリはチームオーダー禁止ルールに違反したと裁定された。
先日のバーレーンGPでは、「キミは君よりも速い」という無線に続いて、「彼を抑え込むな」と伝えられていたこともF1の公式ウェブサイトに掲載されたハイライト動画で確認できる。
ライコネンがチームメートを追い抜いた車載映像からは、大した苦労もなく追い抜きを成功させ、さらにはグロジャンに感謝するような印象がうかがえる。
バーレーンGPでライコネンに追い抜かれたことについて、グロジャンは今週、次のように『RMC』へ話している。「僕がキミに対してブロックをしていたら、あるいは僕たちがバトルを演じていたら、ぼくはウイングを壊す羽目になっていただろうね」
「結果として僕たちは2人とも表彰台に上れたわけだし、僕はミスをしたくなかった。僕は、全力で彼と争っていたわけじゃないよ」