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ジェンソン・バトン、ダブルDRSの効果に疑問

2012年04月23日(月)17:30 pm

F1の統括団体FIA(国際自動車連盟)がメルセデスAMGの新技術であるダブルDRSはルール違反でないと判断したことを受け、各チームがこの技術をコピーしようと躍起になっているが、ジェンソン・バトン(マクラーレン)はその効果に疑問を持っている。

ダブルDRSとは、メルセデスAMGが開発したシステムで、2011年から追い抜き増加を目的に導入されたDRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)と、2010年のF1で流行し、現在は禁止になっているFダクトを組み合わせたものになっている。

Fダクトは、車体に作った穴から空気を取り入れ、その空気をリアウイングのすき間から放出することでリアウイングの抗力を減らして最高速を高めるものだった。2011年からこの技術は禁止になったが、メルセデスAMGはDRSが作動すると自動的に空気の取り入れ口が現れるようにすることで、ドライバーによる操作が必要ないシステムを開発してFダクト禁止のルールを回避した。

メルセデスAMGは、DRS作動時に現れる穴から取り入れた空気をフロントウイングへ流し、Fダクトのようにフロントウイングのすき間から空気を放出することでフロントウイングの効力を弱めているとされる。つまり、リアウイングの角度を変えて空気抵抗を減らすDRSをメルセデスAMGが作動させた際には、自動的にフロントウイングの効力も減り、その効果が倍増されるという仕組みだ。

複数のチームが、これはFダクト禁止のルールに違反していると主張したが、先述のようにFIAは違反なしと判断。これを受けて、各チームとも同様のシステム導入に向け開発を進めているとされる。

しかし、マクラーレンのバトンはこの革新的技術の効果に疑問を投げかけている。

「それほど(ダブルDRSに)効果があるとは、どうしても思えないんだ。単純にメルセデスAMGが速いんだと思う」とバトンが『BBC』へ語り、こう続けた。

「シミュレーションを重ねてみても、(クルマの)限界値が飛躍的に上昇するとは思えないんだ。メルセデスAMGのクルマにとっては素晴らしい技術なのだろうけれど、僕たちのDRSはそのままでも高い効果を得られるから、(ダブルDRSの導入で)僕たちのクルマが大幅に速くなるとは思わないよ」

「決勝では意味がないし、予選でも(効果は)最小限だよ」

そう話すバトンのチームメートであるルイス・ハミルトン(マクラーレン)は、現状でF1のトップレベルにいるのはメルセデスAMG、マクラーレン、レッドブルの3チームだと話している。

「今、一番速いのはメルセデスAMGだろう。特に、一発の速さはすごい」

「レースになれば、メルセデスAMGが一番速いのかどうかは分からない。多分、レースになったらレッドブルが一番速いんだと僕は思う。僕たちには予選とレース、どちらでも速さがある」

「僕たちの立ち位置はそのあたりで、ほかのみんなと同様にチャンスがあるよ」とハミルトンは語っていた。

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