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F1にはまだ「紳士」がいるとザウバー

2012年04月11日(水)14:20 pm

F1の世界にはまだ「紳士」がいる。ザウバーのチーム代表ペーター・ザウバーが語った。

これは、最近行われたFダクトに関する論争において、メルセデスAMGのチーム代表ロス・ブラウンが、Fダクト開発禁止を盛り込んだ「紳士協定」に違反したと言われている。Fダクトとは、2010年のF1で流行した技術で、車体に設置した穴から空気を取り込み、リアウイングのすき間から放出することで最高速を向上させるものだった。

2011年からこの技術の使用は禁止されたが、今年メルセデスAMGがルールの抜け穴を利用して同様の技術を復活させた。

『Sport Bild(シュポルト・ビルト)』の記者ラルフ・バックは、記者会見において皮肉を込めてこう述べている。

「F1においては、この問題(紳士協定)にこそ、紳士が必要だ」

しかし、F1パドックの中でも数少ない紳士の1人とされるザウバー代表は、F1にはまだ紳士が残っているとスイス紙『Sonntagsblick(ゾンタークスブリック)』に対して語った。

マレーシアGPにおけるセルジオ・ペレスの2位獲得という結果をほかのチーム関係者から個人的に祝福されたかとの質問に対し、ザウバーはこう答えた。

「マクラーレンのマーティン・ウィットマーシュ(チーム代表)がお祝いしてくれたよ」

「フランツ・トスト(トロ・ロッソ/チーム代表)は素晴らしいメッセージをくれたし、ドメニカリ(ステファノ・ドメニカリ/フェラーリ、チーム代表)を含んだフェラーリの面々とは非常に友好的な関係を築いている」

また、F1界に紳士は多くいるかとの質問に対し、ザウバー代表はこう答えた。

「F1ビジネスにおいて、その質問をしてはいけない」

「私はコーリン・チャップマン(チーム・ロータスの創設者)を知らなかった。ケン・ティレル(ティレルの創始者)は、私にとって魅力にあふれる人物だったが、われわれ(ザウバー)を軽く見ていた。それはフランク・ウィリアムズ(ウィリアムズF1の創設者でチーム代表)と同じだ」

実際パドックでは、今シーズンのザウバーの活躍に対して懐疑と皮肉がさらなる広がりを見せている。ザウバーが冬のテスト期間を通して速さを見せていたにもかかわらず、最近までトップチームが危険だと感じていなかったのもそれが理由だ。

「ヘレスとバルセロナでのテスト終了後、マシンの調子が良いことは分かっていた。でもライバルたちは、われわれがガソリンの搭載量を抑えた軽い状態で走っていると考えていたみたいだね。これは私たちのような中団グループに位置するチームがよく使う作戦だ」とザウバー代表はコメントしている。

ザウバー代表によると、さらに面白いのはセルジオ・ペレスに関する話だ。

「1年前、彼(ペレス)はザウバーのシートをお金で買ったと言われていた。でも今やその彼がフェラーリに移籍するかもしれないとうわさされている。これには笑わずにいられないよ」

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