多くのF1関係者たちが来週末に予定されているバーレーンGP(22日決勝)が中止されることを望んでいる。
ブラジルの『O Estado de S.Paulo(オ・エスタド・デ・サンパウロ)』紙の記者リビオ・オリッキオは、「われわれはバーレーンには行かない。その決定はもうじき発表されるだろう」と書いている。
いまだにバーレーンで継続している国内政治情勢についての最新報道を受け、オリッキオは“今日か明日にも”レース(中止)に関するニュースを期待しているとしている。
オリッキオは反政府組織グループである『February 14th Youth Coalition(2月14日青年連合)』による直接的な脅迫ともいえる声明に、F1関係者の“安全を保証できない”と記されていたことに言及していた。
これについて、国際的人権問題監視組織である『Human Rights Watch(ヒューマン・ライツ・ウォッチ)』のスポークスマンも、懸念すべき状態だと認め、『BBC』に次のようにコメントしている。
「現場には多くの死者や、催涙ガスや殴打による重症者が増加しつつある」
さらに、10日(月)に爆弾の爆発により7名の警察官が負傷したことや、投獄された活動家がハンガーストライキ(長時間の絶食)によって死を間近に迎えているという報道により、懸念が一層強まってきている。
ある匿名のF1チーム代表も、従業員やその家族のことが心配だと認めている。
しかし、バーレーン内務省のアドバイザーを務める元ロンドン警視庁警視監のジョン・イェーツはそうした不安を打ち消そうと、『Assosicated Press(AP通信)』に次のように述べている。
「もし問題が起こったとしても、世界中のどんな公共イベントでもそうであるように、それに対応するための計画があるので安心して欲しい」
しかし、これまでバーレーンGPの実施を宣言し続けてきたF1最高権威のバーニー・エクレストンでさえ、『Times(タイムス)』に、「もしチームが行きたくないというのなら、そうさせることはできない」と述べており、立場を微妙に変化させてきているようだ。エクレストンも今週末は中国GPが行われる上海に行く予定だが、そこでF1チーム代表らとバーレーンGP開催に関する最終的な話し合いを行うことになるのではないかという見方もある。
F1を統括するFIA(国際自動車連盟)はこれまで、状況を“監視している”とだけしてきたが、それは緊急時対応策が準備されており、仮に今週の土曜日(14日)か日曜日(15日)に土壇場でバーレーンGPのキャンセルが決定されたとしてもF1としてはそれに対応できるものと考えられている。
一方、バーレーン側はいまだにGP開催に自信を見せている。
バーレーン政府のスポークスマン、シーク・アブドゥラジズ・ビン・ムバラク・アル・ハリファが「われわれはF1が継続され、成功裏に終わることを願っている」と述べている。
また、バーレーン・インターナショナル・サーキット最高責任者のシェイク・サルマン・ビン・イーサ・アル・ハリファも『Gulf Daily News(ガルフ・デイリー・ニュース)』に次のように述べている。
「レースは行われる。そのことに疑いの余地はない。根拠もなくいろんなことを言う報道がたくさん見られる。われわれの準備は整っているし、チームや関係者、そしてファンの安全を保証するための計画が用意されている」