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レッドブル、ベッテルへのリタイア指示は「戦略ではない」

2012年03月29日(木)17:58 pm

レッドブルは、マレーシアGPでマシントラブルがあったと偽って、次戦へ有利な態勢で臨もうとしたという疑惑に反論した。

マレーシアGP終盤、2年連続チャンピオンのセバスチャン・ベッテルに対し、チームから無線を通じてリタイアするようにと繰り返し指示が出されていた。

レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、ブレーキの温度が危険なレベルにまで上がっていたと述べている。だが、結局ベッテルは完走して11位に終わり、ポイント獲得の10位圏内には入れずにレースを終えた。

ホーナーは、「雷の影響で」無線が不調だったためにベッテルはチームからの指示が聞こえなかったと説明しているが、このリタイアの指示は、ベッテルがホームストレートに戻ったときに提示されるピットボードにも何度も示されていたことが明らかとなっている。

またベッテル自身もレース後に次のように話している。「もちろん(リタイアして)クルマを大事にしておくこともできたけど、僕はチェッカーフラッグを受けたかったんだ。僕はそうすべきだったと思っているよ」

さらにドイツの有名な専門誌『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によれば、ベッテルが「指示は聞こえた」と述べていたという。

メディアからは、レッドブルがブレーキトラブルと偽って、戦略としてリタイアさせようとしたという批判も聞かれる。リタイアしていれば、次戦の中国GP(4月15日決勝)に新しいギアボックスで臨むことができたからだ。

現在のF1では、1基のギアボックスを5レース連続で使用しなくてはならないと規定されており、もしそれに満たない段階で交換すれば5グリッド降格のペナルティーが科されることになっている。ただし、レース中にトラブルが発生したためリタイアした場合には、次のレースに向けてギアボックスを交換してもペナルティーが科されないという規定がある。

この問題についてレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーであるヘルムート・マルコは、ドイツ紙『Bild(ビルト)』に対してこう話した。「(ナレイン・カーティケヤンとの)接触のあと、ブレーキの温度が上がって許容範囲を越えた」

「われわれが指示を出したのは、純粋にマシンが安全ではなかったからだ。戦略的な判断ではなかった」というのがマルコの主張だ。

ベッテルは今週、イギリスのミルトン・キーンズにあるレッドブルの本拠地で、チームからの指示を無視したとされている問題についてチーム首脳と話し合いの場をもつという。

ドイツ人で元F1ドライバー、ハンス=ヨアヒム・スタックはこう述べている。「ほかのドライバーだったら、クビになったかもしれない。だが、ベッテルは2年連続でチャンピオンになっており、信頼もあるんだ」

『Die Welt(ディー・ヴェルト)』紙によると、元F1ドライバーで現在コメンテーターを務めるマルク・スレールは、「ベッテルは正しい判断をした。こういった指示を出すときは慎重にやらなければならないからだ」と述べている。

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