ウィリアムズは、メルボルンで開催されたオーストラリアGP決勝でリタイアに終わり結局1ポイントも獲得できなかったが、それでも次戦マレーシアGP(25日決勝)に自信を持って臨めそうだ。
イギリスの名門F1チームとして有名なウィリアムズだが、何度もタイトルを獲得したかつての栄光から転がり落ちてここ数年は不振が続き、2011年はチーム史上最低とも言える結果に終わった。シーズンを通して獲得したのはたった5ポイント、全12チーム中9位で、それより下位は2010年からの新規参入で苦しむ3チームのみだった。
しかしウィリアムズは、2012年シーズンに向けて立て直しを図り、現在は元マクラーレンのチーフデザイナーだったマイク・コフランがテクニカルディレクターとしてチームの技術部門を引っ張っている。開幕戦オーストラリアGPでは、今年から新たにルノーエンジンを搭載した2012年型車FW34で、17日(土)の予選でも見事最終セッションのQ3進出を果たした。
さらに18日(日)の決勝、ウィリアムズのパストール・マルドナードは終盤にフェラーリのフェルナンド・アロンソと5番手争いを展開。最終周で激しくクラッシュしてリタイアとなったが、アロンソにプレッシャーを与える走りだった。
マルドナードが完走してチェッカーフラッグを受けていたら、ウィリアムズは初戦だけで昨年の全ポイントより多くのポイントを獲得できたことになる。
「マシンはここ数年見てきたどれと比べても大幅によかった」とチーム会長のアダム・パーも胸を張る。
今季からウィリアムズでドライバーの指導を担当する元F1ドライバーのアレキサンダー・ブルツは、オーストリアのテレビ局『ORF』に対し、マルドナードのクラッシュに関してこう語った。「もちろん、誰も喜んではいない」
「ノーポイントに終わってしまったのは良くない。だが、チームは大躍進を果たした」
昨年までトロ・ロッソのドライバーで、今季はイギリスのラジオ局で解説を務めるハイメ・アルグエルスアリは、2011年からのウィリアムズの進歩を「巨大」と形容した。
アルグエルスアリは、『Mundo Deportivo(ムンド・デポルティーボ)』紙に2012年の新たな勢力図について聞かれ、「疑う余地はないよ、ウィリアムズは大きなサプライズだ」と話した。
「昨年、ウィリアムズのマシンは本当に最悪だった。だから彼らのこの進歩はケタ外れだよ」