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レッドブルとフェラーリが特別契約との報道に怒りの声

2012年03月21日(水)0:52 am

伝えられたところによれば、フェラーリとレッドブルが2013年以降の新しいコンコルド協定に関して特別契約を結ぶことに合意したとの報道が行われたことにより、ほかのF1チーム代表たちは怒りとともにオーストラリアGPが開催されたメルボルンのパドックを後にしたという。

コンコルド協定とは、F1を統括するFIA(国際自動車連盟)とF1の商業権を取り仕切るFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)が作成し、F1に参戦するチームとの間で締結される協定で、F1におけるさまざまな規定や商業的な権利について定められたもの。現在の協定は2012年いっぱいで満了となり、2013年度からは新たな協定が締結されることになる。協定の内容は原則として非公開であり、新協定ではチームごとに個別の協定が締結されるとも言われる。

しかし、チームごとに異なる協定が結ばれることへのけん制の意味も含め、チーム間でそうした内容の協議を行う組織としてFOTA(フォーミュラ1チームズ・アソシエーション)が結成されていた。しかし、昨年いっぱいでフェラーリ、レッドブルらが相次いでFOTAを脱退しており、自らに有利な形で新たなコンコルド協定を締結しようと考えているのではないかとの憶測もあった。

フェラーリとレッドブルというトップチームによる、100億ドル(約8,300億円)ものF1の株式公開計画を含む特別契約のうわさは、『Sky News(スカイ・ニュース)』がいったん報じた後に、それを撤回したことを受けて渦を巻くようにささやかれ始めた。

その記事は、流出した新コンコルド協定の原案コピーに基づいたものだとされており、ロンドンの『Telegraph(テレグラフ)』紙によれば、それには「フェラーリにF1の株式を直接与える」と記載されていたという。

その記事はさらに、昨年2年連続でチャンピオンとなったレッドブルも「大金を得る立場にある」とするとともに、レッドブルとフェラーリはF1の持ち株会社の役員に指名されるだろうとも付け加えている。

レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、レッドブルがFOMとの間で新しいコンコルド協定に関する交渉を行っていることを認め、その話し合いは「かなり順調に進んでいる」と明かした。

FOTAのメンバーであるマクラーレンやメルセデスAMGのようなほかの主要チームがどのように対応してゆくのか、現時点では明確になっていない。しかし、『Times(タイムズ)』紙は、それらのチームにはF1持ち株会社の役員会の椅子(いす)は準備されていないと伝えている。

ある匿名のチーム首脳は、うわさされているフェラーリとレッドブルの特別契約について「言語道断だ」と述べるとともに、「あらゆる面からヨーロッパの競争法に反するものだ」と付け加えた。

フェラーリは、この件についてコメントすることを拒否したが、ホーナーは次のようにコメントしている。

「われわれは、この先ずっと変わらないもの(コンコルド協定)を望んでいる。新株発行についてはまさに株主次第だよ。これはチームには全く関係ないことだ。そのことはバーニー(エクレストン/F1の最高権威)かCVC(F1株式を所有する投資会社)に聞くべきだろう」

しかし、多くのF1関係者は、フェラーリとレッドブルの特別契約がすでに大筋で合意に達しているとみており、「F1はもうずいぶん前からレース中心ではなくなっている」とあるチームの代表は怒りの声を上げ、次のように続けている。

「いよいよ大詰めを迎えることになるだろう。われわれはそれが何なのか、そしてそれがレースをやりたくて、こういったことに巻き込まれたくないと思っているF1チームの関係者にとってどのような意味を持つことなのか見極めなくてはならない」

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