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メルセデスAMGの新Fダクト、その効果は?

2012年03月18日(日)14:00 pm

メルセデスAMGのチーム代表ロス・ブラウンが、新たに導入したいわゆる「Fダクト」が注目を集めていることについて、それほど重要な技術ではないと話し騒動を抑えようと動いた。

Fダクトとは、2010年のF1で流行になった技術で、車体に作られた穴から空気を取り込み、リアウイングのすき間から放出することで、一時的にウイングの効果を弱めて最高速を向上させるシステムだった。この技術は、翌2011年から禁止されたが、今年のFダクトはドライバーが操作する必要がないためルールには違反していない。また、メルセデスAMG以外のチームもFダクトを搭載しているとされる。

現在メルボルンで行われている開幕戦オーストラリアGPのパドックは、この話題でもちきり。16日(金)のフリー走行2回目でトップタイムを出したのは、メルセデスAMGのミハエル・シューマッハだった。メルセデスのマシンW03には、リアウイングにFダクトが搭載され、フロントウイングにも同様の技術を使ったWダクトが採用されているとみられる。

この新しい「Fダクト」について聞かれたチーム代表のブラウンは、こう答えている。

「あれがそう(Fダクト)呼ばれているので驚いたよ。それがどんな意味なのか、私には分からないのでね」

「われわれはマシンにおもしろいシステムを持っているが、まったく複雑なものではない。だからほかのチームはそれを見るだろうし、そのあとで価値のあるものかどうか判断する必要があるだろう」

今週この話題がこれほど取りざたされているのには理由がある。2009年当時、メルセデスAMGの前身であるブラウンGPは、ダブルディフューザーを他チームに先駆けて完成させ、その技術によってタイトルを獲得したからだ。ダブルディフューザーとは、車体後部に装着されている空力パーツのディフューザーにより多くの空気が流れ込むような処理を施した部品で、これによってより大きなダウンフォースを発生させることが可能となる。だがこの技術は2010年以降禁止された。

昨年は、今年から禁止になった意図的に排気を空力パーツのディフューザーに当てることで、より大きなダウンフォースを得るシステム、ブロウン・エキゾーストがレッドブルのタイトル獲得に貢献した。

しかしブラウンは「新Fダクト」について、そうしたタイトル獲得に寄与するような技術と「同様の重要性を持つものではない」と主張している。

ブラウンは「明らかに役には立つ」と認め、「だから使用しているわけだが、パフォーマンスの向上が非常に大きいわけではない」と語った。

いずれにしても、激しい開発競争はすでに始まっている。

中堅チームの1つザウバーのチーフデザイナー、マット・モリスは「(新技術の開発・導入には)たいへんなお金がかかる」と『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に話しており、規模の小さなチームにとって新Fダクト導入には、資金的な問題も絡むことを示唆した。

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