2012年シーズン開幕を前にして、既に危機的状況にあると評されているフェラーリ。しかし、フェラーリの元ドライバーであるニキ・ラウダは、チームの状態がそこまで悪くはないと信じているようだ。
1974年から1977年にかけてフェラーリに在籍し、1975年と1977年にタイトルを獲得したラウダは、ドイツのテレビ局『RTL』に対してこう語った。
「イタリア人はいつも誇張する。良い点も悪い点も、オーバーに報道するんだ。私としては、皆が思っているほど、フェラーリは悪くはないと考えている」
「マクラーレンとレッドブルが拮抗(きっこう)していて、すぐ後ろにメルセデスAMGがつけている。フェラーリはその次だ。しかし、すべてが一気に変わる可能性は十分にあるよ」
だが、イタリア国内におけるフェラーリに対してのプレッシャーは相変わらずだ。
例えば、今週オーストラリア入りした際、フェラーリのフェリペ・マッサが「僕の考えでは、表彰台争いに加われると思うよ。もっとも、パット・フライ(フェラーリのテクニカルディレクター)がバルセロナで言ったことに賛成しないわけじゃないけどね」とコメントした。
しかしフライは「シーズン序盤での表彰台はありそうもない」と語っていたことから、フライのコメントとマッサのコメントが完全に矛盾していると揶揄(やゆ)されるなど、フェラーリに関する情報は良くも悪くも、あらゆることが誇張されて報道されてしまう。
一方チームメートのフェルナンド・アロンソは、今季のマシンF2012が改善されるまで、歯を食いしばってレースに臨むしかないと認めている。
「まずは自分たちの競争力がどれだけものなのかを見極めなければならない。そして、シーズン序盤はできるだけ多くのポイントを獲得することにすべてをささげる必要があるね」