レッドブルは、ブロウンディフューザーの禁止によって失われるダウンフォースをある程度取り戻すための巧みな方法を考案した。こう話すのは、レッドブルにエンジンを供給するルノーのF1エンジン部門責任者ジャン・フランソワ・コベだ。
2年連続でF1のチャンピオンチームに輝いたレッドブルと、そのエンジンサプライヤーであるルノー・スポールF1は2012年シーズンにタイトルを守るべく、かつてないほど緊密に連携している。
そのルノー・スポールF1でマネジングディレクターを務めるコベが、ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』へ次のように語った。
「F1とは創造力がものをいう世界だ。ルールは変わったが、レッドブルと協力し、パフォーマンスの損失を補う解決方法を見つけたよ」
昨年のF1はいわゆるブロウンディフューザー・システムを採用することにより、エンジンからの熱い排気を空力パーツであるディフューザーに当てることでさらなるダウンフォースを得ていた。このシステムはさらに進化し、ドライバーがアクセルから足を離しているときでさえディフューザーへ排気を流すシステムが考案された。
F1を統括するFIA(国際自動車連盟)によって、このブロウンディフューザーが禁止されたものの、いくつかのチームでは規則すれすれのところで新しい解決法を見いだしたとのうわさが流れている。
コベは、この件に関して次のように続けた。
「以前のものと同じではない。しかし、パフォーマンス差を生み出すことができるうまい開発ができた」
7日(火)からヘレスで行われた最初の公式テストでは、エイドリアン・ニューイが設計したレッドブルの新車RB8がまるでレールの上を走っているかのように安定したコーナリングを見せていたとする記事があった。
これについて、レッドブルのチームオーナーであるディートリッヒ・マテシッツは「それは私たちがいつも模型の列車で遊んでいたからだよ」と冗談で返したが、ニューイがそれに付け加えて次のように語っている。
「排気は、われわれにとって、まだいくつかのアイデアを試すことができる分野の1つではある」