イタリアのメディアは、ビタリー・ペトロフの「ルーブル(ロシア通貨)」がヤルノ・トゥルーリをF1から追い出したと非難している。
ケーターハムのベテランドライバーであるトゥルーリは、ロシア人ドライバーのペトロフにシートを奪われた。この結果、今年のF1はイタリア人ドライバーが1人も出走しないという、これまでにはなかった新しい局面を迎えることとなっている。
かつてアルファロメオやウィリアムズ、ベネトンで活躍し、通算6勝の実績を持つイタリア出身の元F1ドライバー、リカルド・パトレーゼも『La Stampa(ラ・スタンパ)』に「(F1に)目を向ければ、今やドライバーは中米や東洋から集まっているんだ」と現状を憂うコメントを寄せている。
スポンサーに恵まれることのなかったトゥルーリは、まだレースをしたいとは願っているものの、ワイン製造業やホテル業を行っているためこれからも忙しいとしながら、『La Gazzetta dello Sport(ラ・ガゼッタ・デロ・スポルト)』へ次のように語っている。
「結果はどうあれ、何よりもまず、ほかの誰からの援助もなしに自分自身の力でこれまで何年にもわたってF1にとどまり、F1でレースをするという自分の夢をかなえてきたことは誇りに思っているよ」
1950年から選手権化されたF1には、これまで多くのイタリア人ドライバーが参戦してきた。しかし、イタリア人ファンの中には、もう何年にもわたってイタリア人ドライバーを起用していないフェラーリを非難する声もある。そしてそのいら立ちの矛先は今年もフェラーリがフェリペ・マッサを起用することにも向けられているようだ。
これに対し、フェラーリのある職員がスペインの『Marca(マルカ)』紙へ次のように答えた。
「それは、われわれが彼を信じているからだ。フェラーリでドライブするにはイタリアのパスポートを持っているだけじゃ十分ではない」