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ロータスE20、技術解説

2012年02月06日(月)7:05 am

ロータスでテクニカルディレクターとして技術部門を率いるジェームス・アリソンが、発表されたばかりの2012年型車E20について語った。

Q:2011年に比べて、2012年はどんな違いがありそうですか?

アリソン:もし、レギュレーションを何気なくチラっと見ただけならば、去年と比べてそれほど変わってないと思うだろう。しかし、そこにはいくつかのかなり奥の深い変更が秘められている。

アリソン:最も注目すべき変更は排気に関することだ。F1チームは2011年のシルバーストン(イギリスGP)のあたりに排気をリアのディフューザーに吹き付けることを廃止しようとしたが、そのことだけでも、とても異なった設計思想が求められる。

アリソン:近年のクルマは、リアにある排気管の取り回しに大きな影響を受けていた。そして今回のルールの意図は、それをやめさせようということだ。排気官の配置に関するルールそのものは、エンジン管理規則で詳述されているが、それはテクニカレギュレーション(技術規定)には記載されていない。しかも、それが届いたのも昨年の非常に遅い段階だ。

アリソン:排気問題は、シルバーストンで原則的なことが合意されていたものの、11月中旬まで議論が続けられていた。かなり長期間にかけて少しずつ詳細が決まっていったため、それまでは柔軟に対応するしかなかった。規則の詳細が更新されるたびに、規則が最終的にどうなるのか予想しながら、それらを最大限に有効活用できるようにした。われわれは当然、この分野に集中していたが、それはほかのチームでも同じだと思う。

Q:新しい規則の影響は、サーキットでどの程度見られることになりそうですか?

アリソン:去年のクルマは極めて多様な排気レイアウトが採用されており、その効果のレベルにも差があった。もし、最新の規則が排気の効果を低く抑えることに成功してしたら、各チームの順位を入れ替えるチャンスになるだろう。

Q:2012年に2人の新しいドライバーと仕事をすることについてどう感じていますか?

アリソン:ロメ(グロジャン)は、昨年シーズンの終わりに2度のとても有望なセッション(フリー走行)をやってみせた。F1マシンに1年以上乗っていなかったのにね。彼はクルマに乗り込んだとたん、とても印象的なやり方で、当時のレースドライバーたちとそん色のない走りをしてみせた。そのことが、今年シートを得るのに役立ったと思うよ。彼とともに力強いスタートが切れることを楽しみにしている。

アリソン:キミ(ライコネン)は、最近バレンシアでR30(2010年型車)を使って行ったテストで、彼が全く速さを失っておらず、これから迎えるシーズンに対して強い意欲を持っていることを示してくれた。そういう質の高いドライバーと一緒に仕事ができるのは素晴らしいことだろうね。

Q:E20で、全く新しいところと、これまでにもよく知られているところは、どの部分ですか?

アリソン:どこを見るかにもよるが、新車のいくつかの部分はゼロから設計をやり直している。そして、ほかの部分については、われわれがこれまで何シーズンにもわたって採用してきた細かな設計思想をさらに最適化したものとなっている。

アリソン:排気システムに関しては、新しい規則のもとでわれわれの前方排気はルール違反になるが、いずれにしてもわれわれの期待に応えてはくれなかった。だから、それとはお別れし、設計を完全にやり直すことになった。フロントとリアのサスペンションレイアウトは、空力面でより有利になるよう、かなり見直しがされている。

アリソン:フロントウイングは、2009年の規則が公開されて以来われわれがずっと取り組んできた概念を継承するものだ。リアウイングについては、リアで発生するダウンフォースの一貫性を満足できるレベルにすることを目指した。それと同時に、DRS(空気抵抗低減システム/可変リアウイング)の効果を最大限に得るため、改良を続けてきている。

Q:E20はどのような力を発揮すると考えていますか?

アリソン:われわれはクルマの開発に長い時間をかけて懸命に取り組んだ。示されたレギュレーションに対応するように試みてきた。しかし、シーズン前テストでクルマを走らせてみて、そのとき初めて、われわれが行ってきたことがよかったのかどうかを判断することができるようになる。それでも、メルボルン(開幕戦オーストラリアGP)での予選までは、本当のことは分からないだろうね。

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