今日のF1においては、たとえ契約があったとしてもそれは意味がないことだ。2年連続で契約がありながらもシートを失おうとしているビタントニオ・リウッツィ(HRT)が語った。
かつてレッドブル、トロ・ロッソのドライバーだったこともあるリウッツィだが、2010年シーズン後、翌年の契約を有していたものの、ポール・ディ・レスタにシートを奪われ、当時在籍していたフォース・インディアから放出されるという憂き目にあった。
そして今回も、HRTと今年の契約を結んでいるにもかかわらず、同じような形でHRTのシートを失うことがほぼ確実だとみられている。HRTはすでに、ペドロ・デ・ラ・ロサを今季のドライバーに起用すると発表したが、リウッツィと契約があるものの、リウッツィの残留は明言していない。
リウッツィは、イタリアのウェブサイト『422race.com』へ次のように語った。
「今の段階ではすべてがあいまいだよ。一番の問題はチームに予算がないということだ。だから彼らとしては2人のドライバーを走らせるために、どうやって資金を工面するかいろいろ探っているところだよ。間違いなく、チームとしては僕とペドロ・デ・ラ・ロサの2人とも確保しておきたいんだ。でも僕らはまだ待機中なんだよ」
現時点ではHRT残留にすべてをかけているリウッツィだが、その状況がいつ何時変わってしまうかもしれないということもよく理解している。
「今では、F1での契約に意味なんてあまりない。資金を持つ若手ドライバーが現れてシートを買い取ってしまう。そういう仕組みになっているんだ」とリウッツィは続けた。
最後の妥協案としては、ほかのチームの控えドライバーとなることかもしれない。しかし、リウッツィはF1以外のシリーズへ参戦することも視野に入れているようだ。そして、それはスポーツカーだと考えられている。これについてリウッツィは次のように付け加えた。
「検討してはいるよ。決断しなければいけないことだからね。最後の最後で状況が変わったとしても、その時点ではもうトップチームに加わることが簡単なことじゃないのは明らかだからね。僕は新しいことにチャレンジする準備はできている。これまでも常にそうしてきたからね」